コラム

洞爺湖サミットってどんな会議だったの?現地には記念館もあり、観光スポットになっている

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毎年各地で開催されている、通称“サミット”と呼ばれる先進国首脳会議。日本では過去に6回開催されており(2023年現在)、2018年に三重県で開催された“伊勢志摩サミット”は記憶に新しいところ。そこからさらに遡ること10年、2008年に北海道の洞爺湖で実施された“洞爺湖サミット”が行われたのを覚えていますか?各国の首脳が一堂に集結し、世界経済や環境問題などについて話し合い、当時の取り組みが今に繋がっています。

北海道有数の温泉地として知られる洞爺湖ですが、町内には記念館などがあり、当時の盛り上がりの様子や話し合われた内容などを伝える役割を担っているとともに、観光資源にもなっています。本記事では、洞爺湖サミットの概要やテーマ、成果などを紹介。サミットで振舞われた料理やお土産も紹介するので、最後までチェックしてみてください。

この記事のポイント!
・洞爺湖サミットは2008年7月7日~9日に開催
・洞爺湖サミットの主会場は「ザ・ウィンザーホテル洞爺」
・「洞爺湖サミット記念館」には会議のテーブルや記者会見ブースが残っている

洞爺湖サミットとは?

洞爺湖サミットの様子

洞爺湖サミットとは、2008年7月7日から9日にかけて北海道洞爺湖地域で開催されたサミットです。正式には第34回主要国首脳会議であり、8ヵ国の主要先進国が参加したことから「G8サミット」とも呼ばれています。

当時日本の総理大臣であった福田康夫氏が中心となって、世界経済や環境・気候変動について話し合われました。

ザ・ウィンザーホテル洞爺の外観

主会場となったのは、北海道虻田郡洞爺湖町にある「ザ・ウィンザーホテル洞爺」で、各首脳陣が到着する新千歳空港や札幌市内、洞爺湖周辺には警察総動員による厳戒態勢がしかれました。同ホテルでは会議会場としての役割はもちろん、食事や首脳陣の家族のケアまでを担い、現在もなお「サミットが行われたホテル」として、北海道民の間でも一目置かれるリッチなホテルとして認識されています。

日時2008年7月7日~9日
開催地洞爺湖地域
主会場ザ・ウィンザーホテル洞爺
参加国日本
カナダ
フランス
ドイツ
イタリア
ロシア
イギリス
アメリカ
欧州連合
公式サイト北海道洞爺湖サミット

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洞爺湖サミットの主なテーマは何だった?

洞爺湖サミットの様子

1975年に第1回首脳会議が開催されてから、サミットでは世界経済や政治問題、社会問題などについて話し合われています。洞爺湖サミットでは、以下のテーマを中心に会議が行われました。主な議題は4つです。

世界経済についての議論

当時、世界では原油の価格高騰やインフレへの懸念などの経済問題があり、主要国で意思統一するために議論が交わされました。

原油価格については、需要と供給のバランスの見直しや市場の透明性向上などを目指し、強力して取り組む姿勢を確認しています。また、世界経済の持続的成長に向けて、貿易・投資の自由化にも協調する意思を共有しました。

環境・気候変動についての議論

環境・気候変動では、地球環境問題や生物多様性などについて会議が行われました。環境問題を巡っては、サミット前から日本の動きは活発であり、前年のサミットや国際会議などで積極的に提案していたこともあり、活発な議論が交わされています。

柔軟かつ多様性がありつつ、技術を生かした環境保全と経済発展を両立することを重視した取り組みの枠組みを確立するきっかけになりました。

※報告書参照:エネルギー安全保障と気候変動に関する主要経済国首脳会合宣言

開発・アフリカついて

サミットが開催された2008年はミレニアム開発目標(MDGs)の中間年であり、最終目標に向けてさらに取り組みを推進する姿勢を確認しました。貧困の削減や安全保障をはじめとして、対応が求められる保険分野の議論を重視したのがポイントです。

また、日本が中心となって開催していた第4回アフリカ開発会議の成果をサミットで共有し、アフリカ開発の推進を目指しました

※報告書参照:世界の食料安全保障に関するG8首脳声明

政治問題についての議論

北朝鮮やイランの核問題が顕著である中、洞爺湖サミットでは大量破壊兵器などの拡散を防ぐ不拡散体制の強化への意思を統一しました。

アフガニスタンやスーダンなど平和に関する状況にも触れられ、G8として平和構築を目指す取り組みを強めると意思表示しています。

※報告書参照:テロ対策に関するG8首脳声明
※報告書参照:ジンバブエに関するG8首脳声明

洞爺湖サミットで首脳陣に振舞われたもの、お土産

ザ・ウィンザーホテル洞爺

洞爺湖サミットでは、食事をしながらの会合や社交ディナーなどで食事が振舞われました。会場は「ザ・ウィンザーホテル洞爺」内のレストランで、北海道食材を使用したメニューやサミットだけの特製パンなどを提供。初日に開催された総理主催社交ディナーでは、利尻島のバフンウニや紋別の毛ガニ、白糠の仔羊など各地の食材をふんだんに使用したメニューに、各国首脳陣が舌鼓を打ったと言われています。

洞爺湖サミットでふるまわれた料理のイメージ

また、2日目の夕食会では日本の文化を体験してもらうための“そば打ち”の実演が行われたそう。打ちたてのそばを中心に、洞爺牛や海鮮など種類豊富なメニューでもてなされました。

世界の首脳陣がどんな料理を楽しんだのか、実はその詳細が公開されています。各日程のメニューが詳しく紹介されているので、気になる方はチェックしてみてはいかがでしょう。

※参照:サミットにおける首脳及び配偶者への食事(記者発表資料)

ソメスサドルの公式サイトのキャプチャ

毎回サミットでは、各国首脳へどんな記念品が贈られるのかも注目の的。洞爺湖サミットでは、北海道歌志内市にある日本唯一の馬具メーカー「ソメスサドル」の革製バッグなどが外務省から贈呈されたそうです。

洞爺湖サミット記念館でサミットについて学ぼう

洞爺湖観光情報センター

洞爺湖町には、当時の様子を保存するために「洞爺湖サミット記念館」で展示をしています。テーブルを囲む各国首脳の等身大パネルや福田元総理が登壇した壇上などが残っているので、サミットの様子を疑似体験できるでしょう。サミットに向けてつくられた寄木細工の竹製チェアやブナの一枚板でつくられたテーブルなど、サミットが細部にこだわってつくりあげられたことがわかるはずです。

壇上で記者会見を体験したり、等身大パネルと写真撮影をしたりして、洞爺湖サミットを体感してみましょう。

住所北海道虻田郡洞爺湖町洞爺湖温泉142
電話番号0142-75-2446
(洞爺湖温泉観光協会)
営業時間9:00~17:00
料金無料
駐車場あり(無料)
アクセス札幌から車で約2時間(高速利用)
公式サイト洞爺湖観光

まとめ

2023年で第49回を迎えた首脳会議は、1975年から開催され、洞爺湖サミットは第34回主要国会議として歴史に名を刻みました。世界経済や気候変動などのテーマについて話し合われ、現代につながる重要な会議として役割を果たしています。

サミットについては洞爺湖サミット記念館で当時の様子を見学できるので、気になる方はぜひ見学に行ってみてください。

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