コラム

千歳基地の航空祭とは?戦闘機を間近で見られる大迫力のイベント

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北海道の千歳市で例年夏に開催される航空祭。ブルーインパルスのアクロバット飛行をはじめとする展示飛行や戦闘機を直近で見られる地上展示、和太鼓演奏などのさまざまなイベントを楽しむことができます。航空祭は各県の航空自衛隊基地で開催されていますが、千歳の航空祭(千歳のまちの航空祭)は会場が広く、来場者数も他県と比べて多いことが特徴です。

こちらの記事では、千歳基地の航空祭の基本情報から歴史やイベント内容、アクセスについて解説します。

この記事のポイント!
・千歳の航空祭は例年7月に開催
・展示飛行や航空機・装備品の地上展示が人気
・千歳でブルーインパルスが初飛行を行ったのは1960年
・最寄駅から千歳基地までバスで約10分

千歳の航空祭とは?千歳のまちの航空祭

千歳のまちの航空祭の様子

北海道の千歳市にある「航空自衛隊千歳基地」では、例年7月に航空祭が行われます。2022年からは「千歳のまちの航空祭」という名称で開催されており、事前申し込みや登録不要で来場可能です。航空祭では展示飛行のほか、装備品展示や音楽演奏などさまざまなイベントが行われ、毎年多くの来場者でにぎわっています。

会場はいくつかのエリアに分けられており、例年最も人気を集めるのが「基地会場」と「空港地区会場」です。基地会場では戦闘機の「F-15」のオープニングフライトや「F-35」の訓練飛行のほか、装備品の展示も行われます。空港地区会場では大型機が展示され、内閣総理大臣などの要人輸送を行う「B777」「EC-225LP」や美保基地に配備されている輸送機「C-2」などさまざまな大型機を見られます。(※展示内容は例年変わります)

開催日時2023年7月30日(日)8:00~13:00
※終了しました
入場料無料
開催場所航空自衛隊千歳基地
住所北海道千歳市平和無番地 [Googleマップ]
問合せ先0123-23-3101
公式サイト千歳基地|防衛省[JASDF]航空自衛隊

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航空祭の楽しみ方とは?迫力ある展示飛行が見られる

千歳の航空祭の楽しみ方は人それぞれですが、航空祭の魅力はアクロバティックな展示飛行を見られることです。航空機が青い空を飛ぶ姿はかっこよく、耳を覆いたくなるような大音量のエンジン音は迫力満点です。なかでも航空自衛隊の「ブルーインパルス」が行う展示飛行は人気です。

千歳のまちの航空祭で軍用機を間近で

また、さまざまな航空機や装備品を間近で見るのも航空祭の楽しみ方のひとつです。航空祭では、普段は見られないような航空機や装備品が地上展示されており、記念撮影もできます。そのほか、自衛隊の活動や技術への理解を深めたり、音楽隊の演奏イベントや出店のフードを楽しんだりするのも航空祭の楽しみ方です。

ブルーインパルスとは?アクロバット飛行のチーム

千歳のまちの航空祭のブルーインパルス

ブルーインパルスとは、航空自衛隊に所属しているアクロバット飛行のチーム(曲技飛行隊)です。正式名称は「第11飛行隊」と言います。1960年に静岡県の浜松基地で発足して、当時の主力戦闘機「F-86F」で飛行を行い、1982年に宮城県の松島基地で「T-2」を使用。1995年からは3代目となるT-4中等練習機を使用しています。

千歳のまちの航空祭でのブルーインパルスの演舞

ブルーインパルスの展示飛行は、青と白にカラーリングされた6機の機体がシンクロして大空を旋回することと、ダイナミックなソロ演技が特徴です。パフォーマンスは次から次へと連続で行われ、地上では大きな感動と歓声の声に包まれます。ブルーインパルスの展示飛行が見られるのは、航空祭の時くらいなので、ぜひともチャンスを逃さないようにしてください!

千歳で航空祭が始まったのはいつ?背景や歴史を紹介

千歳で航空祭が始まった歴史は、正確には残っていないようです。しかし、千歳市でブルーインパルスが初の展示飛行を行ったのは、「全道青年労働祭」が開催された1960年8月27日と言われています。千歳市の航空基地の一般公開は1963年であるため、ブルーインパルスの飛行は航空祭ではなく、千歳を発進基地とした部外展示飛行と考えられています。

参照:【ブルーインパルスの歴史を追う!Vol.5】|防衛日報デジタル

なお、千歳基地に限りませんが、航空祭は新型機の見本や軍の広報活動などが主な目的として始まりました。日本で初めての航空祭(航空ショー)は、1914年に阪神鳴尾競馬場にて行われたと言われています。

また、千歳航空基地は戦後に米軍によって使用されていましたが、1957年8月から航空自衛隊に移管し、1970年には第3高射群が編成されるなどを経て現在の形に至りました。現在、千歳基地は空の安全を守る「第2航空団」、新千歳空港の離発着を管制する「管制隊」、レスキューを行う「救難隊」などの部隊で構成されています。

参照:防衛施設の概要|千歳市

過去に地上展示された航空機

千歳のまちの航空祭での日本政府専用機

千歳の航空祭では、さまざまな航空機が地上展示されています。これまで地上展示された航空機の一例は次の通りです。

  • F-15J:戦闘機
  • F-2:支援戦闘機
  • C-130:戦術輸送機
  • B-777:日本国政府専用機
  • B-767:早期警戒管制機
  • U-125A:救難捜索機

F-15Jはアメリカのボーイング社製の第4世代戦闘機です。世界最強の戦闘機と言われており、日本では航空自衛隊の主力戦闘機となっています。F-2は三菱重工社製の国産支援戦闘機です。日本独特のブルーの海上迷彩が美しく、海外の航空ファンに人気があります。

また、ボーイング社製の早期警戒管制機であるE-767は大型のレーダーを装備しており、空中目標の探知や追跡などを行う空の司令塔です。早期警戒管制機(AWACS)の製造には高度な技術と多額の費用が必要となるため、AWACSを配備できる国は少ないとされます。U-125Aは遭難者を救助する目的で運用されている「救難捜索機」です。探索レーダーや援助物資投下などの装備が備えられています。そのほかにも、幅広い航空機が地上展示されているので、実物を見にぜひ航空祭へ足を運んでみてください。

日本各地で開催されている航空祭

航空祭は千歳基地以外にも、日本各地で開催されています。2023年実施された・実施予定の航空祭には以下があります。

  • 愛知県:小牧基地オープンベース(3月開催)
  • 山口県:岩国基地フレンドシップデー(4月開催)
  • 神奈川県:厚木基地日米親善春祭り(4月開催)
  • 東京都:横田基地日米友好祭(5月開催)
  • 鳥取県:美保基地航空祭(5月開催)
  • 山口県:防府航空祭(6月開催)
  • 北海道:千歳のまちの航空祭(7月開催)
  • 宮城県:松島基地航空祭(8月開催)
  • 青森県:三沢基地航空祭(9月開催)
  • 石川県:小松基地航空祭(10月開催)
  • 福岡県:芦屋基地航空祭(10月開催)
  • 静岡県:エア・フェスタ浜松(10月開催)
  • 岐阜県:岐阜基地航空祭(11月開催)
  • 福岡県:築城基地航空祭(11月開催)
  • 宮崎県:新田原基地エアフェスタ(12月開催)
  • 沖縄県:美ら島エアーフェスタ(12月開催)
  • 茨城県:百里基地航空祭(12月開催)

千歳基地の航空祭はその他の基地よりも来場者数が比較的多く、例年7万人ほどが参加します。しかし、北海道から遠い場所に住んでいる人は、居住地区から近い基地の航空祭に行くのもおすすめです。

千歳の航空祭で行われるイベント

千歳の航空祭では、当日さまざまなイベントが行われます。ここからは、基地内で行われるイベントと基地周辺で行われるイベントについて紹介します。

基地内で行われるイベント

千歳のまちの航空祭の観衆

「令和5年度 千歳のまちの航空祭」における基地で行われたイベントスケジュールは次の通りです。

基地内イベントのプログラム・オープニングセレモニー / 8:40~8:46
・和太鼓演奏(兵装展示航空機前) / 9:50~10:20
・警察犬訓練展示 / 9:50~10:20
・救難員救出訓練展示(1回目) / 10:00~10:20
・救難員救出訓練展示(2回目) / 11:00~11:20
・北部方面音楽隊演奏(301格納庫) / 11:00~11:40
・働く車走行展示(エプロン地区) / 11:10~11:30
その他基地内イベント・展示飛行 / 8:46〜12:50
・航空機地上展示
・装備品展示(移動通信器材やペトリオットなど)
・キッズトレイン
・コックピット展示
・油圧作動展示
・エンジン搭載展示
・キッチンカー
・グッズ売店など

メインとなるイベントは展示飛行や航空基地上展示です。展示飛行は8:46からオープニングフライトが行われ、その後さまざまな戦闘機による展示飛行を見ることができます。

基地周辺で行われるイベント

千歳のまちの航空祭の和太鼓演奏

千歳基地以外でも、基地周辺でさまざまなイベントが開催されています。イベント会場と主な内容は次の通りです。

会場グリーンベルト千歳アウトレットモール・レラ日本航空大学校
新千歳空港キャンパス
イベント・装備品展示
・和太鼓演奏
(陸上自衛隊第7師団)
・北部航空音楽隊演奏など
・航空管制体験
・和太鼓演奏
(日本航空大学校)
・北部航空音楽隊演奏など
・装備品展示(消防車)
・和太鼓演奏
(日本航空大学校)
・北部航空音楽隊演奏など
住所千歳市幸町4-27千歳市柏台南1-2-1千歳市泉沢1007-95

幸町にある整備された路地「グリーンベルト」では、炊事車や水タンク車などの装備品が展示されるほか、陸上自衛隊の第7師団による和太鼓演奏が行われます。また、千歳アウトレットモール・レラや日本航空大学校でも航空祭のイベントが開催され、大学生による和太鼓演奏などを見ることができます。

千歳の航空祭を見に行く方法

千歳の航空祭へのアクセス情報は次の通りです。

千歳のまちの航空祭の開催地マップ
場所航空自衛隊 千歳基地
住所北海道千歳市平和無番地
アクセス(バス)・JR千歳駅からバスで約10分(徒歩の場合は約20分)
・JR南千歳駅からバスで約10分(徒歩の場合は約30分)
※シャトルバスあり
アクセス(車)札幌駅から高速利用で約60分

札幌駅から車で約1時間で千歳基地につきますが、車でのアクセスはおすすめできません。航空祭当日は基地周辺が非常に混雑し、午前7時過ぎには道央道インターから渋滞します。駐車場に車を停めるまでにも時間がかかり、時間を無駄にする可能性があるので注意が必要です。最寄駅の「千歳駅」「南千歳駅」からはシャトルバスが運行しているので、バスでの移動をおすすめします。

千歳のまちの航空祭の無料シャトルバス乗り場マップ

また、千歳基地の敷地は、他の県と比べて非常に広いため来場者数でぎゅうぎゅうに混雑する可能性は低いです。ただし、当日は基地周辺で車の渋滞が起きたり、基地内でのフードの購入やトイレに列ができたりします。

千歳の航空祭で展示飛行が見られる穴場スポット

千歳の航空祭は例年数万人もの人が来場する人気のイベントです。特に展示飛行を見るときは、皆よく見えるところから見たいと思うのは同じなので、なかには混雑した場所で人酔いする人もいるでしょう。展示飛行がゆっくり見られる穴場スポットには以下があります。

  • 新千歳モーターランド
  • 千歳青葉公園
  • 国道36号線

新千歳モーターランドは新千歳空港近くにあるサーキットです。知る人ぞ知る穴場スポットですが、千歳基地航空祭から少し距離があるので混雑する可能性は低いです。また、千歳青葉公園も穴場スポットのひとつで、航空祭の会場から近く、駐車場も無料で利用できます。そのほか、国道36号線からも展示飛行を見ることは可能です。

会場で見る場合と比べると迫力は劣りますが、余裕のある空間で展示飛行を見たいという人には穴場スポットがおすすめです。ただし、その土地のルールやマナーはきちんと守りましょう。

まとめ

千歳の航空祭(千歳のまちの航空祭)は、千歳基地で例年7月に行われている催しものです。当日はブルーインパルスのアクロバット飛行をはじめ、展示飛行や航空機の地上展示、和太鼓演奏などさまざまなイベントを楽しむことができます。千歳基地の航空祭は他県の航空祭と比べて人気が高いので、ぜひ一度足を運んでみてください。

さっかんジャーナル編集部

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