Tドライバー 大型観光バスドライバー 2年目

ドライバーの仕事との出会いは本当に偶然だったんです。2年前、自営業で収入はあったのですが、何か仕事をしてみようかなと思っていた中で、たまたま育成事業(※)の、2か月間の有給研修の募集ポスターを見て、説明会に参加したんです。正直、最初はすごく気軽な気持ちでした。
バスドライバーという仕事に興味はあったのですが、狭き門というイメージが強くて、経験もなかったので、この2か月の研修の求人を見つけたことは大きなきっかけになりました。

※北海道経済部観光局の委託で札幌観光バスを代表企業として道内6社(当時)のコンソーシアム形式で行った厚生労働省の事業「北海道観光を支える人材の育成・確保事業(貸切バス業)」のこと。

研修生として札幌観光バスの契約社員として入社して、初日は接客接遇講習。挨拶の仕方や姿勢、名刺交換の仕方まで、わかっているつもりでしたが、まずそこからダメ出しをされ、一から叩き込まれました。平均年齢39歳の同期は全部で20人。いい大人なのに、ほとんどの人が「できていなかった」。自分たちの世代は、昔そういった研修を受けてきた方が多く、各々、社会経験を積んできたはずなのに、改めて現実を突き付けられました。悔しい気持ちもあるけれど、言われていることはまったくその通りで、本当に身になること。これは素直に、一から学び直さないと・・・と、みんな気持ちが改まったんだと思います。結果的に、特例を除き、ほぼ全員が揃って最終日を迎えることができました。

 
それから縁あって札幌観光バスに継続して勤務することになり、大型二種免許を取得し、ドライバーデビューすることができました。
今でも思い出すことがあるんです。
夏休みの親子ツアーでのことでした。最終日、空港でお見送りの際、お父様に「写真撮ってください」と声を掛けられて、「はい、お撮りしますのでカメラを貸してください」と言ったら、「いやいや、娘とドライバーさんの写真を撮らせてほしい」と言われて。びっくりしました。お客様とガイドとは関わりも深いし、記念撮影もよくあるけれど、ドライバーの僕との交流の機会って「いってらっしゃい」「お帰りなさい」くらいのもの。あちらも恥ずかしかったのか、特にそれ以上の会話にもならなかったんです。年齢も離れているし、性別も違う。でも、そのわずかな接点の中で、僕に多少なりとも好感を持ってくれたのかなぁと思うと、接客接遇って必要なんだな、見られているんだなと、お客様の言葉から気付かされました。
しかも、その写真を、後日会社宛に送ってきてくださって。今も家に飾ってあります。大事な家族である愛犬の写真の隣に。僕の夢の世界、癒しの空間です(笑)。

 
やらかしてしまったこともあります。ツアーの時、道を間違えてしまったんです。
ガイドのマイクを借りて、「皆様・・・お気付きと思いますが・・・大変申し訳ございません、道を間違えました!」と素直に謝りました・・・。そのときは車内が大笑いに包まれて、なんだかお客様に助けられましたね・・・。
本当なら、間違えてはダメなのが基本です。プロのドライバーですし、お客様はその1分1秒にお金を払ってくださっているんですから。でも、間違えてしまったときにも、接客接遇を学んだことが役立ちました。どんな言葉で、どんな態度でお客様に伝えるかが重要だなと思った出来事でした。

バスの車体や名刺に付けられている安全性評価認定の三ツ星マークを見るたび、お客様や他社のプロドライバーから見られて恥ずかしいような走りはできないな、と気を引き締め直しています。
何より、あの全長12mの大きなバスを自由に動かせるって、やっぱりかっこいいんですよ。細い道を難なく抜けられたとき、お客様から歓声が挙がることもあって、なんてことない顔をしていますけど、内心ドキドキしながら、陰でガッツポーズです(笑)。

今はまだ勉強中の身なので、常に頭の中に地図があって、急な変更が生じたときにも走れるだろうかとシミュレーションしています。自分にとってはそれも楽しいと思えています。

これからの目標は・・・機敏に、笑顔で、優雅に! スピード・スマイル・スマートの‟3S”をこなせるドライバーを目指します!
諸先輩方の背中を見ながら、まだまだ日々成長していきたいと思います!

(H29.6月更新)