Kドライバー 大型観光バスドライバー 1年目

僕は、ちょっと珍しいパターンかもしれません。道外から移住して入社したドライバーなんです。

思い起こせばきっかけは高校時代。修学旅行で始めて北海道を訪れたときでした。地元・広島から訪れた北海道は、ひたすらどこまでも大地が続いて、山がずっと遠くに見える景色が印象的でした。広島は、中国山地が近くて、どこに行っても山に囲まれているような場所なので、北海道のような景色は、僕の日常とはまったく掛け離れていました。

中でも、思い出すのは大沼公園。大沼の向こうに駒ケ岳が広がる雄大な景色は、時間がゆっくり流れているようで、新鮮だけれど心地良い、不思議な感覚でした。

「広い北海道には、こんな現実離れした景色がまだまだたくさんあるんじゃろうなぁ、もっと見てみたいなぁ」と、北海道一周を夢見て過ごすことになりました。

それから整備の専門学校に進学したのですが、そこでの修学旅行も、縁あって北海道でした。実はこの時にお世話になった貸切バスが、札幌観光バスでした。この頃、「いつかは北海道で、観光バスの仕事をするのもいいな」と考えるようになりました。

それから、僕の目標・夢は、北海道に向けて動き出しました。まずは広島県内のバス会社で、路線バスや送迎バス、そして高速バスの業務に就き、経験を積みました。実は広島は、エリアによってはよく雪が降るんです。北海道で走るなら雪道の経験も必要だと考えて、雪の多いエリアでの乗務も経験しました。

運転も好きですし、整備を実務に活かせるのも楽しかったし、路線バスでのいつものお客様とのやりとりも地域を支えている実感があって、やり甲斐がありました。けれど、やっぱり自分が体験したように、北海道を訪れたときの感動をお客様と共有し、楽しい時間をお手伝いできる、観光バスの仕事に就きたいという気持ちは消えず、経験を積みながら、機が熟すのを待っていました。

そして、バスを運転し始めて8年目の今年、縁あって札幌観光バスに入社することになりました。

僕は札幌市内に住んで通勤していますが、ちょうど良い都市部という感じで、とても暮らしやすいです。

札幌市は約200万人が住む都市なので、いわゆる大自然の中にぽつんと一軒家があるような環境ではありません。普段は、自分が北海道に移住してきたことを実感する機会に乏しいくらいです。けれど、ふと部屋の窓から景色を見れば山が遠くにあって、大通公園に行けば四季折々の花や紅葉、そんな環境はやっぱり北海道らしいですよね。休日は札幌の自宅を拠点に、その日の朝に行き先を決めて気軽に道内各地へ向かい、時間を気にせず北海道を満喫できることも、北海道に住んでいるからこその暮らし方かなと思います。そして、それが道や観光地を覚えることにもなって、仕事にも活かされるのが嬉しいです。

少し不安なのは、冬の暮らしです。雪かきのこと、ストーブのこと・・・。ただ、広島でも、マイナス20℃近くまで下がる地域に住んでいたので、寒いのは比較的得意です。むしろ、北海道のほうが、家は寒さに強いつくりになっているので、屋内に入れば暖かいと言われています。10月からは、朝晩だけストーブをたく日もあるのですが、すぐに暖まって、快適に過ごせています。

冬が深まったら、凍った湖の上でワカサギ釣りなどにも挑戦してみたいです。気が早いですが、暖かくなったら、大自然の中でのキャンプやバーベキュー、それから秋にはいくらの醤油漬けなど、四季折々の北海道でやってみたい暮らしがたくさんあります。北海道は九州の約2倍もの面積があるので、まだ僕が知らないような北海道の魅力を発掘していきたいです。お客様にも、是非ディープな北海道の魅力に触れていただいて、北海道のファンが増えてくれたら。自分自身が楽しむ気持ちを忘れずに、北海道が好きな気持ちを仕事に活かしていきたいです!

一緒に働く仲間も、近所の方も、移住者の僕を特別扱いしたりしないので、ウェルカムというよりむしろ自然体すぎて、ちょっと寂しいくらいです(笑)。歴史が浅く、本州からの開拓の歴史から始まった北海道の地域性もあるのかもしれませんね。

札幌観光バスの場合、社長も元々北海道民ではありませんし、ドライバーにも、事務所のスタッフにも、東京や大阪から、北海道が好きで移住された方がいらっしゃいます。移住というと仰々しい感じがするのですが、札幌なら、あまり構えずに引っ越して来られても、そんなに戸惑うことはないと思います。興味がある方は、是非一歩踏み出して、仲間になっていただけたら嬉しいですね。

今は研修をしながら、駅や空港とホテルを結ぶ送迎シャトル便や、短めのツアーの運行などを経験させてもらっています。

観光バスは楽しい気持ちで来られているお客様をお迎えするので、僕もつい、バスの中の楽しい空気につられて楽しくなってしまいます。一方で、北海道を満喫されたお客様を 空港にお送りするとき、楽しかった時間がここで終わってしまうつらさが、自分のことのようにつらいときもあります。北海道で過ごした時間が楽しければ楽しいほど、帰りたくなくて、最後の1分1秒までが貴重な時間ですよね。

だからこそ、北海道にいらっしゃる時間を、心地良く、思い思いに過ごしていただけるように、でしゃばりすぎず、必要なときにそっと手を差し伸べられるような、一人ひとりのお客様にぴったり寄り添えるドライバーになれたらと思っています。

(H30.11月更新)