Yドライバー 大型観光バスドライバー歴 30年

30年前、路線バス中心のバス会社から札幌観光バスに来たんだ。
人員輸送じゃなくて、ずっと観光バスのドライバーになりたくてね。
当時は観光バスの運転手になるには、トラック運転手の経験や、大型二種免許所持が必須条件だったりして、狭き門だったんだよね。
なりたい人も多くて、競争率も激しかった。
憧れの職業にやっとつけたんだよ。

 
ツアーばかり、団体ばかりという観光バス会社もあるけど、札幌観光バスは本州・道内からのお客様の一般ツアー、修学旅行、多種多様だね。
道内全域に行くし、毎日がまったく違う仕事で新鮮。一日一日が早いし、何年続けていても、毎日楽しいよ。
 

若いガイドを育てている会社という面でも、自分にとってもとても刺激がある。
高卒で入社してくる若いガイドがほとんどで、今、24名の社員ガイドがいるけれど、若い人って本当に成長が早い。
前向きで、一生懸命さがある。自分も初心に返らせられるっていうのかな。
ひと月ぶりに同じ仕事についたガイドがお客様に向けてマイクで話すのを、運転しながら聞いていると、前回から随分と成長したなぁ、この間まではちょっと自信なさそうだったのに頑張ってるなぁと、我が子の成長のように嬉しいね。

 

いろんな仕事があるけど、「楽しかったわ」とか、「丁寧に安全運転してくれてありがとう」とか、「ドライバーさんの運転、酔わずに済んだわ」とか、お客様から直接、感謝の言葉ばかりを寄せてもらえる仕事って、なかなかないと思うんだよね。
楽しい気持ちでお越しになっているお客様が相手なので、こちらも楽しまないと。
不思議と、本当にいいお客様ばかりなんだよねぇ。

こんなこともあったね。ご年配のご夫婦で、終戦後にお見合い結婚して新婚旅行にも行けず、結婚して30年ほど経った今になって、子供も巣立って、ようやく二人で初めての旅行先に北海道を選んだそうでね。
そのお二人は、ずぅっとガイドの話に聞き入ってうなづいてくれていたって、後からガイドから聞いたんだ。
当然だけど、ずっと来たかった北海道にやっと来られた方が一人でもいるかもしれないって思ったら、一日一日を大切に、気合い入れて頑張らないとなって改めて思った出来事だったなぁ。
昔に比べたら、本州から北海道に来る費用も安くなったし、何度もお越しになっている方も多いけれど、特別な時間を買って、楽しみに来ていることには変わりないからね。
それに、何度もお越しになっているってことは、やっぱり北海道の魅力をそれだけ感じてくれているからでしょ。

 走る距離が長いのも、北海道の観光バスの特徴だよね。でも、疲れたって思うこと、あんまりないんだよね。
ずっと左耳で、ガイドの話聞いてさ。
ガイドも毎回違うお客様を相手にしているから、毎回違う話をするし、時にはしょうもないこと言ったりもして、一緒に笑ってさ。楽しいほうが多い仕事だと思ってるけどね。
自分も何度か本州でバスを走らせているけど、やっぱり北海道が好きだなぁ。
お客様にも、「いいでしょ、北海道」って胸を張るような気持ちで仕事しているね。せかせかせずに、のんびり旅行してほしい。

旅行って、何日も前から計画立てて、わくわくしてその日を待っていて、わくわくして来ているわけでしょ。
運転はもちろん真剣だけど、一緒においしいもの食べて、温泉入って、楽しもうという気持ちなんだよね。
せっかくそういう気持ちで来てくれているから、バスの中がいい雰囲気で進めばいい。
自分も、お客様と会話するのは好きだけど、お客様と直接接する機会が多いのはやっぱりドライバーよりガイドだから、ガイドが思うやり方でやりやすいようにやってみれ、という気持ち。
ガイドが褒められたら自分も嬉しいからね。同じチームだから。

4月には、20年無事故の表彰をいただきました。創業以来、始めてなんだってね。
去年、20年無事故を前に、夢見たんだわ。
「Y、ここで事故して20年無事故がパーになった!」って言われる夢。すごいプレッシャーよ。
北海道って、冬が長い。吹雪でも休むわけにはいかない。
この天気では行きたくないなぁって思うことも正直あるよ。
もちろん、無理して走ることはないけど、神経使うよね。
当然だけど、事故は絶対にしたくない。人命に関わるのはもちろん、ぶつけてもぶつけられても、それでお客様の楽しい旅行が台無しになってしまう。
 
今、道内にどんどんバス会社が増えて、いろんな会社、いろんなドライバーがいるけど、やっぱりピシッとしていないとね。身だしなみと、たたずまいっていうのかな。きちんとしていると、それが安全運転にも表れると思うんだ。運転も無理せずスマートに、後ろの車が追い越ししたい様子だったら、譲ったりね。
けじめを大切に、これからもお客様と一緒に楽しんで北海道を走りたいね。
 
(H29.7月更新)